「この世」に確かなことなど何もないといいますが、 一つあるとしたらそれは、誰もがいつかは「あの世」 に行くということです。誰もが体験するのに、 誰も確かなことを知らない。それでも「あの世」 という表現には単に「死」と言うのとは違う、 どこか楽しみな面すらありませんか? そこには今生を終えてもまだ何かありそうだ、 という視点があります。
さて、 輪廻転生を何となく信じている方でも、 今の人生以外のことを考えている日本人は少ないでしょう。 昔は聞かれた「来世のために徳を積む」とか「前世の因縁」 などの言い回しも影を潜めました。 西洋のおとぎ話でもヒロインは最初から美しく、 活躍する王子はたまたま勇敢に生まれついています。
*お話(その1)-ミルク・マン*
昔、男がおりました。親友と共にミルク・
天人として生きた後、4人は人間界に戻り、ある国の王とその妃、
天人2人は巡礼僧の姿で商人の前に現れ、 男の子を二人授かるだろうと告げました。やがて、 その言葉どおり夫婦は双子の男子を授かりました。 喜びに包まれながらも、商人には心配事がありました。 誕生を予言した僧たちが「子供は僧侶にさせてあげてください」 と言っていたことでした。子供たちには家業を継がせ、 普通の幸せをつかませたかったのです。
夫婦は托鉢僧に出会うことの多い街から離れ、 郊外に引っ越しました。そのうえ子供たちには「 お坊さんを見かけたらすぐ逃げなさい。 彼らは子供を誘拐する恐ろしい人たちなのですよ」 と言いきかせていました。
ある日、双子が外で遊んでいると僧が歩いて来るのが見えました。 両親の言いつけを思い出した二人は木に上って隠れました。 ところが、僧はその木の下で清楚な食事を始めたのです。枝に? まって震えていた双子ですが、 僧の戒律的な振る舞いを見ているうちに、 前世の記憶がよみがえりました。人間界で修行をする、 という目的も思い出しました。
二人は木から降りて僧に挨拶をすると、
さて、その国には家長も後継者もいない家の財産は、
王に同行していたお妃が元商人家族に問いかけました。「 あなたたちは本当に、この豊かな暮らしを捨てるのですか? どうして貧しい僧になりたいのですか?」。新出家者たちは、 声をそろえて俗世に勝る修行の喜びを語りました。
お妃と4人の会話を聞いていた王様が叫びました。「 わしも僧侶になるぞ!」心からの言葉でした。 それを聞いたお妃も喜びの声を上げました「私も尼僧になります」 。ここに立派な出家者が6人生まれました。
(めでたし、めでたし・・・?お話はここで終わっています。… 王国はどうなったのでしょうね?)
(めでたし、めでたし・・・?お話はここで終わっています。…