ジャイナ教の昔話その3:不安な時(まつい ちえこ)

昨年2020年。コロナウイルス。見えないものが世界を牛耳っているように思えます。

私たちはウイルスだけでなく目視できないモノの中で生きてきましたし、これからも囲まれて生きていきます。

人類はウイルスから害も受けましたが、進化に刺激も受け、何億年も共に生きてきました。

微細なモノは粗雑なモノより強いと言います。

身体の健弱より心が人生に大きな影響を与え、心より微細な魂はさらに大きな力を持ちます。

スピリチュアルな世界は㎚(ナノ)より微細なのですから、精神はウイルスより強いと言えませんか。

良いバイブレーションで自分を包むことが強さの秘訣でありましょう。

強い信念、繰り返された祈りは深層心理にまで染み入り、魂の世界に繋がり、一層強い力となっていきます。

本当の強さを持つものにとって敵はいません。

すべてを倒せるというのではなく、全てを友としてしまうのです。

毒蛇まで従者にしているインドの神は全てのモノを生かしている象徴でありましょう。

そこまで強くはない私たちでも、毒蛇に近づかない注意、近づかれないバイブレーションを持つことはできます。

真我はいくつかの層に包まれ、目に見える肉体は外側の粗雑なものであるという見方は良く知られています。

その肉体自体も、微細なエネルギーに取り囲まれています。

オーラや電磁気的な力が見える方にとっては当たり前かもしれませんが、良いUを引き付ければ、

自分の周りに防御シールドを張っているようなものです。

外側だけではありません。

「祈り、マントラ、瞑想は微細な体にまで浸透する」と知られています。

単純な「にこやかに」という教えは心を落ち着け、免疫力UPの力を与えてくれます。 

アニメのトトロでも隣のおばあちゃんが言っています。

「煤渡りはニコニコしていると逃げて行ってしまう」と。

***お話・その3 /前アチャリア・マハプラギャも良く語られたというお話***

荒野を馬で疾走している者がいました。 

それを見かけた男が声をかけました。

「あなたは誰ですか?どこへ何をしに行くのですか?」

「私は疫病さ。隣の国に、千人殺しに行くのさ」

疫病は馬上から答えると、振り返りもしないで走り去りました。

それから数ヶ月後、同じ出会いが起こりました。

男が疫病に話しかけました。

「あなたは嘘つきですね。あなたは千人殺すと言っていたのに、隣国では五千人が死んだと聞いています」。

「私が殺したのは千人だけだ。他の者は私が居ることへの恐れで、勝手に死んだのだ。私は嘘つきではない」

それだけ言うと、馬上の主はどこかへ走り去っていきました。

***このお話では「恐怖が人々を殺した」と擬人化した疫病に語らせています。

「恐怖に限らず不安、怒りなどネガティブな思いが、実際より大きな問題を心身に引き起こす」

ユングやフロイトなどの深層心理学などなかった時代から、心の力は知られていたのだと思います。

不安な時こそ「にこやかに」。

瞑想は力強い助けになるはずです。

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